ルアーカラーの常識と非常識
2011年 6月 21日 - カテゴリー: てきと丸のウンチク集
久々に釣りのウンチクでも。
今回のテーマはシーバス狙いのルアーカラーについて。今回はかなりディープなお話になりますので、とりあえず初心者の方にはデイゲームでは小魚っぽいナチュラルカラーを基軸に使えば結果が出やすいですよ・・・と、先に無難な定説を記しておきます。答えでは無く、定説ですが、最初の選択肢としては無難だと思います。
では本題です。まず、ルアー選びに際してカラーというのは最後のおまけ的な要素だと私は考えています。
特にナチュラル系と呼ばれる魚っぽい色に関しては、イワシカラーだろうが、キビナゴカラーだろうが、ハスカラーだろうが、オイカワカラーだろうが私の中では同じ。背中の色がグリーンのサバカラーも、ブルーのイワシカラーも、背中の色なんか魚からは殆ど見えないので同じだと思って使っています。微妙な色の違いで釣果に圧倒的に差が出る事は殆ど無いです。そんな経験をした事がある人も居るかも知れませんが、私の経験では差はほぼ無いです。差が出たとしたら、アングラーのアプローチの差だと考えています。
例えばチャート、真っ黒、ドピンク、そしてナチュラル系の4色で比べたら、差が出る事もあるかと思いますが、それでも一番大事なのはアプローチだと考えています。
アプローチとはつまり、どんな状況の魚に、どの様に魚の気づく場所にルアーを届け、どの様に誘って、どの様に喰わせるかという事。具体的にはルアーチョイス(動き、シルエット、レンジ)であったり、キャストスキルであったり、トゥイッチやジャーク等の小細工であったり、ポーズ(喰わせの間)であったり、そしてバイトに気づけるかどうか・・・と言う事。このアプローチがしっかり出来ていれば、およそどの様な色のルアーでも魚は釣れると考えています。
ただ、カラーで多少なりとも釣果に差が出る事があるのは事実。ごく稀にルアーカラーの違いで釣果に大きな差が出ることがありますが、それも、色の系統さえ合わせ、似たような色を使えば大差は無いです。
と言う事で今回はカラーに関するウンチクです。
もう一度書きますが、一番大事なのはアプローチであって、カラーはおまけ的要素ですので特に初心者の方はカラーで悩み過ぎない事をお勧めします。釣具メーカーからは無駄な程様々な似たり寄ったりのカラーのルアーが販売されていますが、はっきり言って大差無いですので買い過ぎに注意して下さい。
そしてルアーのカラーに関しての大前提がもう一つ。空気中で我々が認識している色と、水中で、しかも魚の目で認識される色は大きく異なるという事。魚の視力は魚種にもよりますが0.2程度だと言われております。そしてダイビングをしている人は知っていると思いますが、水中、特に水深が深ければ深いほど色の見え方は空気中のそれとは大きく異なってきます。更に我々がルアーを見る時は横から見る人が殆どだと思われますが、シーバスの様に受け口の魚全般に言えることですが、自分より上を泳いでいる餌を捕食しているので魚の視点でルアーを見ると重要なのは斜め下方から見た時のシルエットなりカラーです。背中の色はルアーのアクションによってチラチラ見えるかどうかという所です。この、チラチラ見えると言うのが点滅している状態の様な感じて魚に対するアピールが強いのではないかと私も思う事もありますが、実際の所はどうなんでしょうか?勿論、ローリング主体のルアーだと背中のカラーも魚に見える機会が多くなりますし、ウォブリング主体のルアーだと背中のカラーは魚の目には入りにくいと考えます。私がルアーを買う際には斜め下方から光源をバックにしてどの様に見えるか・・・という事を想像しながらベリーとサイドのカラーを重要視して買う事が多いです。
お客様によくお勧めのカラーは?という質問を受けます。状況によって私も色々と答えてはおりますが、正直なところ、私にも正解の色というのはわかりません。魚が喰って来た色が正解と言うのが事実でしょう。
私の釣りに対するスタンスとして、釣りに不正解は無いと思っております。これはカラーに限らず、ルアーや釣り方に至るまで全てに共通する事で、結果が出れば全て正解。その日、その場所、その状況、そのタイミングで試してみなければわからないというのが根本の考えです。逆に一般的にはあり得ない事をやらないと、誰かが築きあげた定番のパターンのマネをし続けて終わる事になります。まだ誰も試していない爆釣メソッドがあるかも知れない・・・、と考えると釣りはより一層楽しくなります。余裕のある方は是非とも色々試してみて下さい。東京湾のシーバスは開拓され尽くしていると考えている方も居るかも知れませんが、私が思うに我々人間は彼らの行動の5%も理解していないのでは・・・と感じています。まだまだ未知の釣り方が色々あるのでは・・・と考えるだけで次の釣りが楽しくなってきます。
てきと丸では常にお客様に自由な発想で釣りをしてもらう事にしていますので、「そんなんじゃ釣れねーよ!」等と暴言を吐かれる心配はありません。実際に、私が心の中で、「この状況でその色は不利かな~?」と思ってる所で、お客様が驚く程の結果を出すという事もありました。自然相手ですので我々アングラーは日々勉強の身です。毎日の様に海に出ている私にもわからない事だらけで、船頭は全ての正解を知っていると言うのは幻想です。世の中には偉そうに全てを解ったふりをしている船頭も居るかとは思いますが、私に言わせれば、わかったつもりになった時点で終わりです。学ぶ事を忘れ、自然相手に謙虚さを無くした釣り人程たちの悪い生き物は居ません。私も自然の前では一アングラーであり、船頭という肩書きの一人間です。魚の気持ちはわかりません。一生かけて学ぶつもりでいますので、お客様と協力しながらまた一歩彼らに近づけたら・・・と考えています。
カラーの話に戻ります。一般的にはデイゲームはナチュラルカラー、ナイトゲームはホワイトベースやレッドヘッド等と言われています。確かに外す事の少ない選択ですので覚えておいて損は無いです。
では、デイゲームでレッドヘッドはどうなのか?うちのお客さんでも試されている姿をよく見かけます。そして釣れています。えぇっ!?と、思う人も多いかと思いますがそんなものです。
因みに海外でストライパー(スズキに似た魚)を狙っていた際に驚いたのが、現地ではレッドヘッドは昼間のカラーとして通っていた事。ボーマーロングAのレッドヘッドの中に反射板が入っているのを知っているベテランアングラーの方も居るかと思います。更にマニアックな方は昔のボーマーは反射板の左右の色が金と銀で違う事も知っているかも知れません。余談はさておき、この反射板、デイゲームでの使用を前提に作られているからです。因みに海外ではホワイトベースもデイのカラーです。
ナイトはと言うと真っ黒やBlurple(BlackとPurpleの造語)と呼ばれる背中が黒、お腹が紫と言った暗い色が定番。光の少ない夜は、空からそそぐ僅かな光にくっきり影の浮き出る色を・・・と言った考えです。和製ルアーでもガンメタやホロブラック等の色が現地では人気でした。
ではナチュラル系は・・・と言うと、魚が豊富でスレ知らずのフィールドでは、アピール重視の釣りを展開する事が多く、異様なまでに小魚を模したナチュラルカラーはエキスパートの方々は人を釣るためのカラーだ・・・と冷ややかな目で見ていました。勿論、状況に応じてナチュラル系のカラーが好まれる事もありますが、それは往々にして入れ食いボイル状態の事。魚が何かの魚を捕食するのに夢中になっている際はできる限り、捕食対象に近づける。理にかなった考え方だと思います。
これを日本のシーバスゲームに当てはめ、ナイトで黒系の色を使うと、実はこれがかなり釣れる。場合によっては他の色より圧倒的に釣れる。勿論定番のレッドヘッドやホワイトが釣れたり、ナイトでも特に強いライトの下等ではフラッシング重視のナチュラルカラーが強かったりもします。逆にデイでレッドヘッドが釣れたりホワイトやパールが釣れたりする場面もよく目にします。そして私も意外だったのですが、デイゲームで試してみても実は釣れちゃうのがブラックだったりします。
アメリカのストライパー狙いのナイトゲームで私がホワイトベースのルアーを使っていると、現地のエキスパートから、このアジア人何やってんだろ・・・夜の釣りを知らないんだな。と、哀れみを込めた目で見られていましたが、日本のシーバスアングラーからすれば当然の選択肢でしょう。勿論日本の定番色で結果は出ていました。当時、私が驚いたのが隣で黒系のルアーを投げていたアングラーの釣果。ナイトにおける黒の有効性をまざまざと見せ付けられました。勿論その後私が黒も多用する様になった事は言うまでもありません。
日本という非常に狭い釣り文化の中にあるルアーカラーに関する定説なんて、参考にはしても、鵜呑みにしてはいけないと私は考えています。その定番カラーローテーションを一から築き上げた第一人者の功績は素晴らしい物ですが、その定説を鵜呑みにしていてもそこから一歩先には絶対に進めないと私は考えています。勿論、この考えはカラーだけに留まらず、釣り方全てに言える事です。
ルアーカラーに関する面白い経験談を一つ。その日の条件は曇り。水はクリアのシーバスデイゲームでした。あるポイントで日中に延々とボイルが出て50~65cm程度のシーバスが入れ食い状態。あなたなら何を投げますか?
純粋に釣りに行くならマッチザベイトでその時のベイトであった10~12cmのカタクチイワシを模した10~12cm前後のミノー。遊ぶならトップウォーター。サイズアップ狙いで大型ルアーを使ってみたり、少し下の層を引いてみたりしても面白いかも知れません。カラーに関してはナチュラルカラーをベースに、少し派手な色が入ったルアーも魚の目を引いて有効かも知れません。これが所謂無難な選択肢。
その日はシーバス初体験のお客様がご乗船でした。バス経験ありのそのお客様、バス用の真っ赤なディープクランクを使い、一回り大きな65~70UP連発。一人勝ちだった事がありました。勿論、他の方のタックルボックスに真っ赤なディープクランクは入っておらず、同じディープクランクのナチュラルカラー等を試すも真っ赤なディープクランクには勝てず終い。通常シーバスで使う様々なルアーを投入しても、その真っ赤なディープクランクには勝てず・・・面白い物です。
シーバス経験の長い人だとボイルが引っ切り無しに続く中でこのルアーチョイスは出てこないかと思います。逆に、過去にシーバス経験が無いからこそ定説に囚われずに色々試せるという良い例でしょう。無難な事ばかりやっていても無難な釣果の枠を出ないのだなと思い知らされます。
私は日々お客さんを乗せて出船し、皆様の釣りを見ていて、稀に今この場所でこのルアーチョイス、カラーチョイスは微妙かな・・・と思う事もありますが、特にカラーに関しては基本的には何も言わない事にしています。勿論質問されれば無難と思える選択肢を挙げますが、本当の答えは魚に聞いてみるまでわかりません。是非色々試してみて下さい。結果が出る、出ないに関わらず、皆様の貴重な経験値になるはずですし、私の予想を良い意味で裏切る結果が出る事もあります。私の僅か25年程度の釣りの経験で解っている事なんかたかが知れているという事です。
もし仮に私が毎日船中○○本、最大○○センチ!と、毎日数字上の結果を出す事を目標にしていれば、私の知る限り最も無難なルアーとカラーをお勧めして、はい釣って釣って!コレじゃなきゃ釣れないよ!とまで言うかもしれません。しかし私は釣りの楽しみは自分で考え、実行して、その経験を次回に生かすという事だと思っています。てきと丸ではお客様それぞれが自分で考え、試して、そして結果的に釣れなかったというのも非常に大事な経験だと考えています。
このルアーのこのカラーをあそこに投げ、こういう風に動かせば釣れると教えられ、結果的に釣れたとします。私がやっても釣れたであろう魚を、代わりにお客さんに釣ってもらった・・・というお話です。船長は操船で忙しいから、船長代理の釣り人を何名か乗せて言われた通りに釣りをする・・・。結果、船中○○本!船長の釣りを実行しての結果。一つの釣り方を学ぶという意味では経験値になりますが、毎度これでは全然面白くないと私は考えているので、てきと丸では質問が無い限りお客様の自由な発想で釣りをしてもらっている訳です。
一匹の魚とどう関わるか・・・
ザウルスの社長であった故・則弘祐さんの言葉ですが、どの様な釣りにも共通する釣りの楽しみ方を広げるキーワードだと思います。このルアーをこういう風に投げてこう誘って・・・と教えられて釣った一匹と、自分で色々考えて釣り上げた一匹の差は大きいです。同じ一匹でも価値が違うと私は考えています。
勿論、その日のアタリのカラーやパターンと言うのも存在していて、釣れているパターンを真似て釣るのも必要です。隣のアングラーにばかり魚が釣れるから、自分の今まで試していたルアー、カラー、釣り方を変えて、釣れているアングラーの真似をしてみる・・・、そして結果釣れる、釣れないというのも非常に貴重な経験になるはずです。
話が脇道にそれたので本題のカラーに戻します。
デイゲームではナチュラル系のカラーが基本だと最初に書きましたが、チャート(蛍光の黄色)やピンク等の人の目には派手に映る色の出番はいつなのか?という疑問も浮かびます。
再度話しを海外に持っていくと、クリアウォーターの大場所(広大な水域で魚を拾っていく釣り)においての定番カラーとして認められているのがチャート。バス釣り出身の方なんかだと、チャート=濁りの入った時の色だと思いますが、海外ではクリアウォーターのデイゲームの定番色。
シーバス釣りに関しても、例えば秋~冬の大型狙いで有名な富津岬周辺部等の東京湾としては非常に水の澄んだエリアにおいてチャートが強い日があります。人間が跡付け出来る理由としては、目立つから遠くの魚に気づいてもらえるだとか、実は意外と水中では派手過ぎずに自然な感じに見えるだとか色々言われていますが、本当の理由は魚語を覚えて聞いて見ないとわかりません。ただ、事実としてクリアウォーターのデイゲームでチャートが非常に効く日があるという事も頭の片隅に置いておいて損は無いでしょう。
勿論港湾部においてもチャートが強い状況があります。この状況ならチャート!とは残念ながら、今の私には(この先も恐らくずっと)言い切れないのですが、ナチュラル系の色を暫く使ってみて結果が出ない時に試してみる価値のあるカラーであり、また、ナチュラル系で暫く釣れていたのに食いが悪くなったな・・・という状況であと数本引き出してくれるカラーであったりします。
このあと数本・・・と言うのが実はカギで、新しいポイントに入って最初からチャートを投げるよりは、ナチュラルカラーで釣った方が釣れ続く事が多い事も事実。チャートはアピールが強いから数本釣るには良いのですが、釣れ続くのはナチュラルの事が多いかな・・・と、個人的には感じています。
つまり、チャートは広いエリアで数少ない魚を拾いに行く時や、釣れていた群れが食い渋り始めた時に重宝するカラーであっても、港湾部の一箇所のストラクチャーについた群れを釣り続けるにはナチュラルが強いとも言えるかも知れません。マズメの光量が減った際にも重宝するカラーかと思います。
ピンクに関してもあんなに自然界ではあり得ない様な色でありながら、オフショアの釣りでは定番カラーであり、勿論シーバスも釣れるのですが、今の所おまけ的な色という位置づけです。ただ、ジギングの際に一回り大きな魚を選んでくれている状況を目にしたり、バブルガムピンクのワームがナイトで強かったり・・・という様な状況に遭遇した事もあります。私もシーバス釣りでも何かと使うカラーなのですが、この状況がピンク・・・という使い方と言うより、何となくのフィーリングで使う事が多いです。
私が使わないカラーとして、ゴーストとか呼ばれる半透明系のカラーや、クリアと呼ばれている透明プラスティックそのままのカラー。基本的に私の釣りでは出番がほぼ無いカラーなのですが、勿論クリアで魚を釣った事はありますし、てきと丸のお客様の中にもクリアで良い思いをしている姿を少なからず見ています。参考までに、完全にクリアなボディーの中に空気が入っていると、水中では空気の面が鏡の様になり意外と目立つようです。日本に限らず世界中のルアーで採用されているカラーですし、アンティークのルアーの中にもクリアは昔からあります。私は今のところ多用していませんが、試してみる価値はあるかと思います。
以上、話が前後しながらで読みにくい文章だったと思いますが、最後まで目を通して下さる方が数名は居るかと思い、書き綴りました。
次回のうんちくもお楽しみに。
2011-06-21 » admin















