バッグリミット&サイズリミット尊守のお願い
2011年 3月 4日 - カテゴリー: お知らせ + てきと丸のウンチク集
てきと丸のお客様は現状でも多くの方がキャッチ&リリースで釣りを楽しまれていますが、てきと丸ではバッグリミットとサイズリミット(スロット)を制定する事にしました。
いつか必ず日本にもフィッシングレギュレーションなるものが取り入れられると思います。何年、もしかしたら何十年先の事かも知れませんが、水産資源は有限で、いつか必ず今のままの資源管理を漁協に丸投げ・・・と言うシステムには限界が来ます。それに先駆けててきと丸ではとりあえず独自のレギュレーションを設ける事にしました。
かなり緩いリミットですが、とりあえずはフィッシングレギュレーションという物に慣れ親しんでもらおうと思い、ここからスタートする事にしました。
バッグリミットは一人一便につき4本。
サイズリミットは45~65cm。(スロットリミットです)
つまり、4名乗船の場合、最大16本まで持ち帰れます。誰が実際に持って帰るかは私は関知しません。
尚、バッグリミット、サイズリミット外の魚であっても、エラを傷つけてしまった等、リリース後の魚の生存が期待出来ない場合はキープ可とします。その他、メーターオーバーの魚や初めての魚等、一生に一本と思われる記念すべき魚を、魚拓を取りたい、剥製を作りたい等のために持ち帰りたい場合は例外としてキープ可とします。因みにメーターオーバーの魚の剥製を作るのには10万円以上かかります。持って帰ったはいいけど値段を知って辞めた・・・なんて事の無い様にお願いします。
リリース派のアングラーへのお願い
キャッチアンドリリースを前提に釣りをされる方へのお願いです。基本的に全ての魚をリリースしようとお考えのアングラーも多いのですが、エラを傷つけてしまったりする等、リリース後の生存が望めないと思われる魚については積極的にキープし、食していただく事をお願いします。てきと丸ではこれをアングラーとしての責任だと考えています。勿論、旅行中であったり様々な事情で魚を持ち帰れない方も多いとは思いますが、出来る限り、死魚(リリース後の生存が望めない魚)を海に捨てる行為は避ける様にお願いします。因みに私も年間を通してかなりの量のシーバスを食べていますが、自分で釣ってきちんと処理した魚はスーパーの魚とは比較にならない程美味しいです。東京湾のシーバスなんて臭くて食えない・・・等という固定観念は、魚の処理、調理がきちんと出来ていない人の口から出ているのだと思います。湾奥の魚は釣りに行かないのでそちらの魚に関しては知りませんが・・・。皮を引いてお刺身のサクの状態にしてからフライや天ぷらにしたら非常に美味ですよ。
サバ、イナダ等、ルアーを丸のみして鰓にフックが刺さって血だらけで上がって来る事の多々ある魚についても、必要以上に釣り過ぎない事も大事かと思います。特にサバ等がボイルしていて喰いの良い場合、数名で釣りをすれば簡単に数十本の釣果となります。釣り過ぎにはくれぐれもご注意下さい。リリースしても死んでしまう事が殆どだと思われるサバですので特に注意が必要だと感じています。サバなんて捨てる程居るから何匹か殺したって大丈夫・・・という声もあるとは思いますが、いっぱい居ると思っていた魚がいつの間にか居なくなった例は五万とあります。自然あっての釣りですので、一匹のサバにも十分な敬意を払う事が大事だと認識しています。
スロットリミットについて
スロットリミットって何?と思われる方も多いと思います。一般的に知られるサイズリミット(体長制限)は○○センチ以下の魚は逃がしてあげて下さい・・・、という内容の物です。生態ピラミッドで非常に重要な土台となっている稚魚、幼魚の生息数を守るという概念に基づいています。しかしこのサイズリミットでは、優秀な遺伝子を持ち、産卵能力も高い大型魚を守れないというデメリットもあります。そこでスロットリミットと呼ばれる、○○センチ以上、○○センチ以下の魚ならキープ出来るという制限で、小型魚を守りつつ、大型魚も守るという良いトコ取りの制限です。勿論、この枠内に収まる魚を釣らなければキープ出来ないのでより厳しい制限となりますが、逆に今回てきと丸で実施する制限では良く釣れるサイズに設定してあるので、お土産確保にあまり高すぎないハードルとなっているはずです。
特に私が重要視しているのは貴重な強い遺伝子を持つ大型魚の生息数の維持です。彼女達は一匹当たりの抱卵数も多く、未来のメーターオーバー予備軍として非常に貴重な存在です。また、都市近郊の水域に生息するシーバスの場合、生息年数に応じて体内に蓄積している重金属やPCBの量が増える事から、過剰に摂取するには適さないので、特に年齢を重ねた大型に関しては可能な限りのリリースが望ましいと考えました。
何故この様なルールを制定する事にしたのか、是非以下の文章に目を通して下さい。
スポーツフィッシングの先進国であるアメリカで長らく釣りをしてきた船長にとって、サイズリミットとバッグリミットの制定はいつか行政に先駆けて当船で必ずやるべき事として頭にありました。
アメリカでは豊かな資源を守るためにバッグリミット(持ち帰れる魚の匹数制限)と、サイズリミット(持ち帰れる魚の大きさの規制)が制定されています。勿論禁漁期間や禁漁区も制定されています。これは魚の資源量に応じて必要とあれば毎年変更がなされ、場合によっては全面禁漁になったりもします。勿論、遊魚だけに留まらず、並行して漁業の方には更に厳しいレギュレーションが制定されています。年間の最大漁獲量まで制定されていると聞けば、日本との違いは歴然でしょう。その甲斐あって、アメリカでは驚くほど豊かな釣り資源に恵まれており、また、この資源を守り維持していくためにかなり厳しい取り締まりも行われております。
残念な事に、日本を含むアジア各国ではその様なルールがあまり浸透していないので、アメリカに渡ったアジア人はそのルールに違和感を覚えるのか、ルールを守らない者が多いです。そして、アジア人はサイズリミットもバッグリミットも守らない、悪名高き人種として知られております。海に囲まれた国である日本の国民として非常に残念でなりません。
私も実際に釣り場で何度もルールを無視した魚のサイズや量をキープをしているアジア人を目撃した事がありますし、私自身も取締り官にタックル、クーラーボックス、そして車のトランクの中までチェックを受けた事があります。それも一度ではありません。恐らく私がアジア人だからより厳しいチェックを受けたのでしょうが、それは資源を守り、維持していくためには必要不可欠な事だと認識しています。人種差別だ・・・と言うのは簡単ですが、私はそうは思いません。そういったルールとチェック機能のおかげで、驚くほど豊かな資源が私の目の前に広がっていたので、検査には進んで協力していました。取締官も大の釣り好きである事が多く、日々フィールドで様々な釣り人を目にしているので検査の後には毎度新鮮な情報を貰える事も検査に協力する理由の一つでした。
日本でも漁協等による規制が無い訳では無いのですが、現状では遊漁に対する匹数制限や体長制限はほぼありません。
現在東京湾にはかなりの数のシーバスが生息しています。しかし、日々シーバスを追い求めて出船している遊漁船の数と、その漁獲量を考えると、この状態が長く続くとは到底考えられません。
当船でも半日で3桁釣果の日がたまにある等、我々遊漁船を含む釣り人がシーバスに与えているプレッシャーは無視できない要素です。特に冬場の群れが固まっている時期等は、正確な数字は知りませんが東京湾全体で日々千匹~数千匹単位のシーバスが釣り上げられていると思います。その内何割がリリースされ、リリース後に何割が生存しているのかは知りませんが、個人的にはゾッとする数のシーバスが日々我々アングラーの手によって失われていると感じています。
シーバスが豊富に居るという現状はこのまま乱獲を続けていると決して長続きしません。
一般アングラーはシーバスが釣れ難くなれば次の釣り物に・・・という考えもあるかも知れません。ジギング船にしても、年間通してシーバスだけを追っている訳ではないので釣れる時に釣れる魚を釣り尽くす・・・というスタンスなのでしょう。でも、本当にそれで良いのでしょうか?勿論、シーバス釣りを専門にやっている我々チャーター業者は死活問題ですし、そもそも、一人のアングラーとしてSustainable angling(継続的に維持可能な釣り)に勤めなくては・・・という一種のモラルが働きます。
スポーツフィッシングの先進国のアメリカでは国や州がきちんと資源量を管理し、必要ならば規制を設けていますが、残念ながら今の日本にその機能はありません。我々アングラーが、特に私の様な立場の者が自分でやれる事を実践していけば、その内その様な機能が産まれる些細なきっかけになれると信じています。てきと丸の様な小型遊漁船が、更にはこんな意味の無い様な緩いレギュレーションを制定しても実際にシーバスの生息数を守る事には殆ど繋がらないと思いますが、些細なきっかけを作れれば・・・との思いです。
勿論、世界的に有名なスポーツフィッシングの団体であるIGFAの支部的な役割を果たしているJGFAが、今回の制限よりもより厳しい内容の制限を掲げている事は知っています。しかし今回の私の目的は、いつか必ず訪れる国や県によるレギュレーション制定のその日まで、フィッシングレギュレーションという物に慣れ親しんで貰う事から始めたいとの思いから、今の私が考えて実行出来る最善の策として今回のお願いをする事にしました。
遊漁船でこんな事をするのはお客様の数を減らすだけなのですが、てきと丸ではそのリスクを犯してでも尚、必要な事だと感じたのでバッグリミットとサイズリミットを制定する事にしました。
皆様のご理解ご協力の程、宜しくお願いします。
2011-03-04 » admin


















13 12月 2011 @ 9:25 AM
[...] あと、優秀な遺伝子を持った大型魚のリリースにご協力有難うございます。今後とも大型魚は生存の見込みの無い魚を除き、基本的にはキャッチ&リリースで宜しくお願いします。詳しくはバッグリミット&サイズリミット尊守のお願いを御一読下さい。 [...]